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2011年 10月 18日
さて展覧会まであと一週間を切りましたが、まずは丹羽良徳さんの滞在制作の様子を紹介します。
丹羽さんは多摩美術大学の映像演劇学科在学中から、パフォーマンスをベースとしたアーティスト活動を一貫して続けておられます。丹羽さんは親類に「ゼロ次元」という1960年代〜70年代初頭にかけて名古屋を拠点に活躍した前衛パフォーマンス集団に親族のかたが関わっていたらしく、そちら影響も受けつつパフォーマーとしてのDNAを先天的に備えているのかもしれません。 ゼロ次元については下記をご参照ください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E6%AC%A1%E5%85%83 また、黒ダライ児さが昨年出版された大著『肉体のアナーキズム-1960年代・日本美術におけるパフォーマンスの地下水脈』(grambooks)でも触れられていますので、こちらもご参考までに。 さて、これまでの丹羽さんの作品のタイトルを並べてみます。 「釜山市で何の為でもない集合写真を撮る、そして他人の記念写真に参加する」 「自分の所有物を街で購入する」 「デモ行進を逆走する」 「ルーマニアで社会主義者を胴上げする」 「撤去された鳥の巣をギャラリーの天井で編み直す」 「泥棒と文通する」 「何の為でもない76人の集合写真」 「結婚を決意できない友人の為に深夜2時街灯の下で結婚式をする」 「50羽の鳩に帽子を贈る」 「野菜との思い出 」 「1元であなたの息を買い取ります、誰かの息も1元で売ります 」 「多摩美術大学をぴかぴかぴかにする」 「ノルウェーで100匹の猫と握手する」 「自宅のゴミをサンフランシスコのゴミ捨て場に捨てにいく」 「水たまりAを水たまりBに移しかえる」 となんだか一見馬鹿げているような行為がたくさん登場してきます。 丹羽さんは、「誰でもできるけれど、絶対にだれもしないような」ことをパフォーマンスとして実践します。そういう行為を実践することで、社会のちょっとした矛盾だったり不条理などを描出するような活動なんですよね。 「自分の所有物を街で購入する」は、どこかのキオスクで購入した雑誌(週間ダイアモンド)を、他の駅のキオスクや書店に持っていってレジに差し出して、それを何度も購入する様子を捉えたものです。これは、多くの商品はバーコードで管理されていて、取り扱いさえあればどこででも何度でも購入できてしまうという点をつき、消費行為や資本主義の社会のシステムにちょっとした疑問を投げかけます。同じ本をもういちど買うという行為にメリットは何もないので誰も絶対にしないと思われているわけで、そういう前提条件や思い込みで消費のシステムが組み立てられているのにははっとさせられたり、ものを所有するとか、経済ってどういうことなんだろうかと様々なことを考えさせされます。 また、「何の為でもない76人の集合写真」は、カナダのなんでもない場所でたまたまそこに居合わせた76人の全然関係ない他人を集めて記念撮影を撮ったものです。記念撮影はなにか思い出がある人や場所に関して撮影するものですが、この作品ではその記念撮影という行為自体を目的にしてしまって意味を反転させています。記念撮影をすることによって、何も関係がなかった人々に関係をつくったり、その場所に意味を与えたりするなど、「集合写真」とか「記念撮影」や「観光地」というものについて考えてみることで、人の関係や場所の意味について小さな疑問を投げかけているのではないでしょうか? このように丹羽さんは自身の行為を社会に何らかのかたちで介入させることで、パフォーマンスとして作品化しています。研ぎすまされた身体とか熟練の技というものとは全く違うけれども、なにかしら一瞬の緊張状態をつくりだすことはまさしくパフォーマンスです。 ちなみに今回青森では、「海で石を拾ってその石を山まで運んで山頂を1メートル高くする」という行為を実践し、撮影しています。詳しい内容は明日のラジオと展覧会場の作品で。 ということで撮影の様子をちょっとだけ公開します。 は
by acac-aomori
| 2011-10-18 01:04
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